慌ただしいシャワーでもリラックスしたい--。こんな埋もれた需要を掘り起こした商品がある。花王の「シャワータイム バブ らくらくジェル」だ。温かいジェルで肩や首をほぐし、マッサージ効果で血流を促進するのが売り物で、6月25日の発売から計画比を2割上回る。
「シャワーに関連して体をいたわる商品がない」。1年半前、インバスヘルスケアグループの津山絵里佳さんは新商品のヒントに気付いた。お風呂でリラックスと言えば、入浴剤が定番。シャワーはそもそも入浴する時間がないからこそ使う。リラックスよりもいかに手早く汚れを落とせるかが、商品開発の重点に置かれていた。
盲点に気付いたきっかけは、入浴やシャワーを使う消費者の声を綿密に分析した結果だ。
06年にシャワーを使って体を洗う人は17%程度だったが、10年には2倍近くまで跳ね上がった。今の20代は生まれた時から自宅にシャワーがあった世代。社会人になると忙しさや手軽さで当たり前のようにシャワーを選ぶようになった。
ただ、一方で相反して心や体をリラックスしたいという需要も高まっていた。「本当は湯船につかった方が効果あると分かっていてもシャワーを選んでしまう」(津山さん)。そのギャップに商機を見いだした。
商品開発の過程で最も重視したのが手軽さだ。シャワーの時間は短く、津山さんは「エステのように念入りな作業が必要だと長くは続かない」と語る。らくらくジェルは肩や首に塗ると温かさが広がり、軽くもみほぐすだけで血流を促進できるのが特徴だ。
全く新しい分野の商品であるため、使い方が分かりにくい。テレビCMではあえて使い方を前面に打ち出した異色のCMにした。
商品投入にあたって、伝統のバブに「シャワータイム」を新たなシリーズとして追加した。今秋には第2弾として、お湯の入ったカップに小型の錠剤を入れて溶かして香りを楽しむ商品を提案、シャワーの関連商品を広げる考えだ。「シャワーで日々の忙しい生活を応援したい」(津山さん)と語る。