節電意識の高まりでエアコンの使用を控えるオフィスや家庭が多く、扇風機が例年より早い5月から販売が急激に伸びて品薄の状態が続いています。入荷してもすぐに売れてしまう状況で、梅雨が明けて夏本番となり、当面はこうした状態が続きそうです。
最近、扇風機の中でもお客様から要望が多いのが充電式や乾電池で使えるタイプの製品です。万が一停電になった場合でも使えるため購入される方が増えています。
乾電池やパソコンのUSBポートに接続するタイプは据え置き型の扇風機に比べて小型な分、風を送る力は強くありません。その点、中国製の据え置き型充電式サーキュレーター(送風機)「circ―001」(店頭実勢価格8980円)は大容量バッテリー内蔵で十分な風を送ることができます。
高さ34.5センチ、幅26センチ、奥行き11.5センチの据え置き型です。家庭のコンセントにさして18時間充電すると、10時間使うことができます。発光ダイオード(LED)やFMラジオも内蔵しているので、防災用品として利用できる点なども魅力の一つです。
(舟田真一・新宿西口本店統括副店長)
2011年7月19日火曜日
セシールの「通学着プロジェクト」――母親の声生かし開発
小学生の子供を持つ母親の声を参考に商品化した子供服「通学着プロジェクト」シリーズ。
開発に当たっては「着替えが多いから脱ぎやすく」「体温調節が心配」など母親の意見を取り入れた。商品は秋冬向け。男児用と女児用がある「パーカジャケット」、男女児兼用の「2WAYカーゴパンツ」、男児用の「ロールアップパンツ」、女児用の「ロールアップカーゴパンツ」の全5種類。価格は2590~3990円。カタログ通販とオンラインショップでも販売する。
「パーカジャケット」の場合、裏地がフリースで、軽くて柔らかな着心地が特徴。袖口はゴム入りギャザー仕様、手首からの冷たい風の侵入を防ぐ。男児用は身長120~170センチの間で6サイズ、女児用は同120~160センチの間で5サイズと豊富なサイズ展開。「2WAYカーゴパンツ」はウエスト調整ベルトが付き、成長しても長くはけるのが売り物。
発売元はセシール(0120・708888)。
<担当者から>
「通学着プロジェクト」は、子供のことを一番理解している母親の意見を参考に商品開発した子供服の新シリーズ。学校生活を快適に過ごせるよう様々な工夫を施し、併せて子供自身にも満足してもらえるようデザイン性にもこだわった。
例えば「2WAYカーゴパンツ」は、成長しても長くはけるだけでなく、膝の下の部分をファスナーで着脱できる構造とした。季節や気温に合わせて丈を変えることで、いつでも快適に着用できる。通販ならではの強みを生かし、サイズも豊富。この「2WAYカーゴパンツ」は、ふくよかなB体を含め12サイズ用意した。今後、品数を増やしたい。
開発に当たっては「着替えが多いから脱ぎやすく」「体温調節が心配」など母親の意見を取り入れた。商品は秋冬向け。男児用と女児用がある「パーカジャケット」、男女児兼用の「2WAYカーゴパンツ」、男児用の「ロールアップパンツ」、女児用の「ロールアップカーゴパンツ」の全5種類。価格は2590~3990円。カタログ通販とオンラインショップでも販売する。
「パーカジャケット」の場合、裏地がフリースで、軽くて柔らかな着心地が特徴。袖口はゴム入りギャザー仕様、手首からの冷たい風の侵入を防ぐ。男児用は身長120~170センチの間で6サイズ、女児用は同120~160センチの間で5サイズと豊富なサイズ展開。「2WAYカーゴパンツ」はウエスト調整ベルトが付き、成長しても長くはけるのが売り物。
発売元はセシール(0120・708888)。
<担当者から>
「通学着プロジェクト」は、子供のことを一番理解している母親の意見を参考に商品開発した子供服の新シリーズ。学校生活を快適に過ごせるよう様々な工夫を施し、併せて子供自身にも満足してもらえるようデザイン性にもこだわった。
例えば「2WAYカーゴパンツ」は、成長しても長くはけるだけでなく、膝の下の部分をファスナーで着脱できる構造とした。季節や気温に合わせて丈を変えることで、いつでも快適に着用できる。通販ならではの強みを生かし、サイズも豊富。この「2WAYカーゴパンツ」は、ふくよかなB体を含め12サイズ用意した。今後、品数を増やしたい。
卵形ハイファイスピーカー、東和電子
東和電子(東京都品川区、03・6303・9814)の薄型テレビ向けの卵形ハイファイスピーカー「オラソニック TW―D7オプト」
薄型テレビを高音質で楽しむためのスピーカー。テレビの電源に連動して自動的にオン・オフできる。省エネ回路を採用、出力は最大20ワットだが消費電力を3.5ワットに抑えた。卵形のスピーカーは“箱鳴り”など不要音の発生を防ぐ。光デジタルケーブルにも対応。
《1万7600円前後》
薄型テレビを高音質で楽しむためのスピーカー。テレビの電源に連動して自動的にオン・オフできる。省エネ回路を採用、出力は最大20ワットだが消費電力を3.5ワットに抑えた。卵形のスピーカーは“箱鳴り”など不要音の発生を防ぐ。光デジタルケーブルにも対応。
《1万7600円前後》
「山ガール」向けエスニック調、シナノ
シナノ(長野県佐久市、0267・67・3321)の“山ガール”向け登山ストック「ファストレディース ミニマル」
女性用登山ストック「レディ・コレ」シリーズの新商品。中間部にあるロックの開閉のみで長さを調節(54~115センチ)できる機構を採用、手袋をしながらでも指がひっかかりやすく、弱い握力でもらくに操作できる。かわいらしいエスニック調のデザイン。絵柄は2種類。8月30日までの期間限定。
《2本1組で1万3650円》
女性用登山ストック「レディ・コレ」シリーズの新商品。中間部にあるロックの開閉のみで長さを調節(54~115センチ)できる機構を採用、手袋をしながらでも指がひっかかりやすく、弱い握力でもらくに操作できる。かわいらしいエスニック調のデザイン。絵柄は2種類。8月30日までの期間限定。
《2本1組で1万3650円》
アタックNeo(花王)―洗濯、ニオイ菌も逃さず
花王が2年ぶりに看板ブランド「アタックNeo(ネオ)」の新シリーズを投入する。従来の洗浄力とすすぎ1回という基本コンセプトに加え、「洗濯のたびニオイ菌を抑える」という新たな機能を盛り込んだ。コンパクトな濃縮液体洗剤で市場を切り開いてきた同社が「圧倒的なシェアを獲得したい」と力を入れる戦略商品だ。
7月13日午前。主力の川崎工場(川崎市)のゲートを「アタックNeo抗菌EXパワー」を満載した大型トラックが次々と通り抜ける。19日の全国発売に向けスーパーやドラッグ店など約6万店への出荷が始まった。
じゅわわわぁ……。洗いたての靴下に抗菌EXを垂らすと、きれいになったはずの繊維の間から小さな泡が湧き出してくる。洗剤のプロたちが雑巾臭と呼ぶ臭いのもとになる菌が洗剤成分と反応している様子だ。
同社のアンケート調査によると、洗剤を使う消費者にある異変が起こっている。以前は「白さ」が洗浄力の象徴だったが、その比率が徐々に低下。代わって最近は「衣類に残る嫌な臭い」が目立ちはじめた。消費者のチェックが目だけでなく鼻にも広がっているようだ。
背景には生活習慣の変化がある。洗濯かごを使わず洗濯槽に直接衣類を放る「ため込み派」が増加。さらに夜中に部屋で洗濯物を乾かす室内干しが臭いに敏感な層を育てているという。
新製品の開発チームが正式に動き出したのは2009年9月だが、「謎の衣類の臭い」の研究に取り組み始めたのは1998年まで遡る。新製品は生まれる前からロングラン商品だった。
2008年6月には社内の関連部門から横断的に研究者らを集めた「ニオイ会議」なる組織が発足。長く業界で謎だった生乾きの雑巾のような臭いの原因は何か――。犯人の特定に向けて社内が一致団結した。
職場内だけでなく、洗濯の実演観察のため訪れた一般家庭でも「出来たてほやほやの臭いがほしい」と頼み込んだ。研究精度を高めるために「臭いを現行犯で捕らえ研究所にすぐさま連行する必要があった」(花王ファブリック&ホームケア研究センター)。
地道な研究の積み重ねで雑巾臭の原因は、ごく微量でも強い臭いを感じさせる脂肪酸の一種「4M3H」と判明。11年3月にはその発生源を「モラクセラ菌」と特定して学会で発表した。見つけてみれば「日常生活の中でごく普通に存在する菌」(同)。ただ太陽光や乾燥に強く、これまでの洗濯では生き残り、臭いのもとが繊維の間に潜伏しやすいことも明らかになった。
E―3。抗菌EXの開発コード名だ。発売2年で7000万本売った「アタックNeo」の系譜を継ぎ、コンパクト市場の代名詞ともなったNeoの洗剤シリーズ第3弾という意味を持つ。
研究陣は、抗菌EXは単なるリニューアル商品ではないという。ニオイ菌対策と漂白成分の配合という2つの先端技術を小さなボトルの中で両立させた「全く新しい商品」と胸を張る。
それではなぜ既存のブランド「アタック」の名を冠したのか。洗濯用洗剤は花王の屋台骨。「研究開発の粋を集めた最も新しい洗浄技術を投入した商品を『アタック』と呼ぶ」という不文律があるからだ。
1987年に粉末、2009年に液体を売り出しコンパクト市場の先駆者を自負する花王。濃縮液体洗剤は衣料用洗剤市場の2割まで拡大したが、ライオンやプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)など競合の追い上げも激しい。ブランド名で「次代の花王の顔を担う」と宣言した抗菌EX。商品の到着を待つ店頭の営業現場も「期待の大きさに応える販促を展開する」と意気込んでいる。
7月13日午前。主力の川崎工場(川崎市)のゲートを「アタックNeo抗菌EXパワー」を満載した大型トラックが次々と通り抜ける。19日の全国発売に向けスーパーやドラッグ店など約6万店への出荷が始まった。
じゅわわわぁ……。洗いたての靴下に抗菌EXを垂らすと、きれいになったはずの繊維の間から小さな泡が湧き出してくる。洗剤のプロたちが雑巾臭と呼ぶ臭いのもとになる菌が洗剤成分と反応している様子だ。
同社のアンケート調査によると、洗剤を使う消費者にある異変が起こっている。以前は「白さ」が洗浄力の象徴だったが、その比率が徐々に低下。代わって最近は「衣類に残る嫌な臭い」が目立ちはじめた。消費者のチェックが目だけでなく鼻にも広がっているようだ。
背景には生活習慣の変化がある。洗濯かごを使わず洗濯槽に直接衣類を放る「ため込み派」が増加。さらに夜中に部屋で洗濯物を乾かす室内干しが臭いに敏感な層を育てているという。
新製品の開発チームが正式に動き出したのは2009年9月だが、「謎の衣類の臭い」の研究に取り組み始めたのは1998年まで遡る。新製品は生まれる前からロングラン商品だった。
2008年6月には社内の関連部門から横断的に研究者らを集めた「ニオイ会議」なる組織が発足。長く業界で謎だった生乾きの雑巾のような臭いの原因は何か――。犯人の特定に向けて社内が一致団結した。
職場内だけでなく、洗濯の実演観察のため訪れた一般家庭でも「出来たてほやほやの臭いがほしい」と頼み込んだ。研究精度を高めるために「臭いを現行犯で捕らえ研究所にすぐさま連行する必要があった」(花王ファブリック&ホームケア研究センター)。
地道な研究の積み重ねで雑巾臭の原因は、ごく微量でも強い臭いを感じさせる脂肪酸の一種「4M3H」と判明。11年3月にはその発生源を「モラクセラ菌」と特定して学会で発表した。見つけてみれば「日常生活の中でごく普通に存在する菌」(同)。ただ太陽光や乾燥に強く、これまでの洗濯では生き残り、臭いのもとが繊維の間に潜伏しやすいことも明らかになった。
E―3。抗菌EXの開発コード名だ。発売2年で7000万本売った「アタックNeo」の系譜を継ぎ、コンパクト市場の代名詞ともなったNeoの洗剤シリーズ第3弾という意味を持つ。
研究陣は、抗菌EXは単なるリニューアル商品ではないという。ニオイ菌対策と漂白成分の配合という2つの先端技術を小さなボトルの中で両立させた「全く新しい商品」と胸を張る。
それではなぜ既存のブランド「アタック」の名を冠したのか。洗濯用洗剤は花王の屋台骨。「研究開発の粋を集めた最も新しい洗浄技術を投入した商品を『アタック』と呼ぶ」という不文律があるからだ。
1987年に粉末、2009年に液体を売り出しコンパクト市場の先駆者を自負する花王。濃縮液体洗剤は衣料用洗剤市場の2割まで拡大したが、ライオンやプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)など競合の追い上げも激しい。ブランド名で「次代の花王の顔を担う」と宣言した抗菌EX。商品の到着を待つ店頭の営業現場も「期待の大きさに応える販促を展開する」と意気込んでいる。
空間用害虫忌避剤、4~6月、50%増、節電意識が追い風に
都市住民の需要つかむ
夏本番を迎え、空間用の害虫忌避剤の市場が拡大を続けている。ハエや蚊などを室内で目にしたくないという消費者が増えているためだ。市場をけん引しているのはベランダなどにつり下げて虫の侵入を防ぐ商品。4~6月の販売が前年同期比約50%増となるところもあり、各社の予想を大幅に上回る水準で推移している。
調査会社の富士経済(東京・中央)によると、空間用の害虫忌避剤の2010年の市場規模は前年比14・6%増の118億円となったもよう。ハエ・蚊用殺虫剤市場の3割程度の規模だが、05年と比較するとほぼ5倍の水準に膨らんでいる。
今春以降の市場拡大には、「節電による需要が確実に上乗せされている」(アース製薬)。エアコンを使わず窓を開けておく家庭が増えていることが大幅な販売増につながっているという。
市場が立ち上がったのは約9年前。消臭・芳香効果も兼ね備えた室内用の置き型虫よけ剤が開発されたことが契機となった。子供やペットのいる家庭など室内で殺虫剤を使いたくないという消費者のニーズを受け、各社がこの分野に参入。殺虫成分を使わず、虫よけ効果があるとされる天然ハーブなどを配合した商品を相次ぎ発売し売り上げを伸ばした。
ここ数年、市場拡大の原動力となっているのは、殺虫剤大手各社が販売するつり下げ式の虫よけ剤。先がけとなったのは大日本除虫菊(大阪市)が07年に発売した「虫コナーズ プレートタイプ」だ。開発のきっかけは「火も電気も使わず常温で揮発する薬剤ができたこと」(同社)。新しい薬剤に適した用途を探すうちに、マンションなどのベランダにつり下げて使用するという新しい虫よけ剤にたどりついた。
網目状の樹脂に練り込んだ薬剤が風を受けて少しずつ拡散し、虫が近づかない空間を作る。雨にさらされても効果は変わらず、一定期間虫よけ効果が持続する。洗濯物を干す時などに便利と消費者が飛びつき、大ヒット商品となった。
「虫コナーズ」の成功により、08年にはアース製薬が「バポナ 虫よけネットW」、09年にはフマキラーが「虫よけバリア」でこの分野に参入。商品のバリエーションが豊富になり市場が活性化した。
これまでになかった新しい虫よけ剤がすぐに受け入れられた背景には、殺虫剤で駆除する以前に、そもそも身の回りに虫を近づけたくないという都市部の消費者を中心とした意識の変化がある。殺虫剤市場がほぼ横ばいで推移する一方、こうした虫よけニーズは強まる一方だ。各社は消費者の利用シーンに合わせた新商品の開発や、既存商品の使い勝手の向上に力を入れている。
アース製薬は昨年、網戸に直接貼って室内への虫の侵入を防ぐという新商品「虫こないアース あみ戸に貼るだけ」を発売した。つるす場所がなくても使用できて雨にも強く60日効果が持続する。大日本除虫菊も今年から同タイプの商品「虫コナーズ アミ戸に貼るタイプ 120日」の販売を開始した。
ガーデニングやアウトドアでの利用を想定した商品は、大日本除虫菊が今年発売した「虫コナーズ スペースバリア」。庭などの地面にまくだけで、虫をよせつけない空間を作る。効果は8時間持続し、まいた薬剤は土に戻るという。
つり下げ式が上位
アース製薬 即効性に支持 大日本除虫菊 品ぞろえに強み
スーパーで販売している害虫忌避剤の商品別ランキングは上位15位中、11商品をつり下げ式が占めた。つり下げ式の商品は「外から見えることによる宣伝効果も大きい」(フマキラー)。よその家の軒下に下がっているのを見て、「うちも使ってみようか」と考える消費者は多いようだ。
1、3、10、11位には、アース製薬の「バポナ 虫よけネットW 120日用」「同 90日用」「同 180日用」「同 60日用」が入った。持続性のある薬剤と早く揮発する薬剤の2種類を使用しているのが特徴で、開封してすぐに実感できる即効性が人気だ。
2、4、5位は、大日本除虫菊の「虫コナーズ プレートタイプ 100日用」「同 130日用」「同 60日用」。9位には100日用の2個パックが入った。
同社からは7位と14位に消臭・芳香機能も兼ね備えた置き型タイプの「虫コナーズ リキッドタイプ 60日 クールミントの香り 300ML」と「同 フレッシュフルーツの香り 300ML」もランクイン。殺虫成分を使用せず、天然由来のハーブエキスで虫よけする。ほかに100日用がある。置き型タイプの商品の使用日数は60日が主流だが、同社は消費者の需要は長期間用に移行しつつあるとみて、今年から100日用についても人気のクールミントの香りを追加した。
6位は今年発売の新商品、興和の「ウナコーワ虫よけ当番 63日用」が入った。同社が販売する虫さされ治療薬「ウナコーワ」は、発売から40年を超えるロングセラー。同社は市場に参入するにあたって、消費者になじみのあるウナコーワブランドを徹底的に活用する戦略をとっている。本体は「プチウナコーワ」のCMやパッケージで使用しているイメージキャラクターをかたどった容器を採用。既存の商品にはないかわいらしさが消費者に好評という。
13位と15位にはフマキラー「虫よけバリア」が入った。他社製品の約1・6倍という大型でS字状の容器が特徴。つり下げるとどの方向から風がきても本体が回転し、遠心力で薬剤が効率よく拡散する。本体中央には天然ハーブの液体の入ったインジケーターを配置。時間の経過とともに液量が減少するので取り換え時期がひと目でわかる。ハーブのさわやかな香りが広がることによって、虫よけ効果を実感できるという。
昨年から登場した網戸に直接貼って使用するタイプの商品も好調だ。8位に入ったアース製薬「虫こないアース あみ戸に貼るだけ」の4~6月の販売は、前年同月比約150%と大幅に増加した。今年発売の大日本除虫菊「虫コナーズ アミ戸に貼るタイプ 120日」は12位に入った。
夏本番を迎え、空間用の害虫忌避剤の市場が拡大を続けている。ハエや蚊などを室内で目にしたくないという消費者が増えているためだ。市場をけん引しているのはベランダなどにつり下げて虫の侵入を防ぐ商品。4~6月の販売が前年同期比約50%増となるところもあり、各社の予想を大幅に上回る水準で推移している。
調査会社の富士経済(東京・中央)によると、空間用の害虫忌避剤の2010年の市場規模は前年比14・6%増の118億円となったもよう。ハエ・蚊用殺虫剤市場の3割程度の規模だが、05年と比較するとほぼ5倍の水準に膨らんでいる。
今春以降の市場拡大には、「節電による需要が確実に上乗せされている」(アース製薬)。エアコンを使わず窓を開けておく家庭が増えていることが大幅な販売増につながっているという。
市場が立ち上がったのは約9年前。消臭・芳香効果も兼ね備えた室内用の置き型虫よけ剤が開発されたことが契機となった。子供やペットのいる家庭など室内で殺虫剤を使いたくないという消費者のニーズを受け、各社がこの分野に参入。殺虫成分を使わず、虫よけ効果があるとされる天然ハーブなどを配合した商品を相次ぎ発売し売り上げを伸ばした。
ここ数年、市場拡大の原動力となっているのは、殺虫剤大手各社が販売するつり下げ式の虫よけ剤。先がけとなったのは大日本除虫菊(大阪市)が07年に発売した「虫コナーズ プレートタイプ」だ。開発のきっかけは「火も電気も使わず常温で揮発する薬剤ができたこと」(同社)。新しい薬剤に適した用途を探すうちに、マンションなどのベランダにつり下げて使用するという新しい虫よけ剤にたどりついた。
網目状の樹脂に練り込んだ薬剤が風を受けて少しずつ拡散し、虫が近づかない空間を作る。雨にさらされても効果は変わらず、一定期間虫よけ効果が持続する。洗濯物を干す時などに便利と消費者が飛びつき、大ヒット商品となった。
「虫コナーズ」の成功により、08年にはアース製薬が「バポナ 虫よけネットW」、09年にはフマキラーが「虫よけバリア」でこの分野に参入。商品のバリエーションが豊富になり市場が活性化した。
これまでになかった新しい虫よけ剤がすぐに受け入れられた背景には、殺虫剤で駆除する以前に、そもそも身の回りに虫を近づけたくないという都市部の消費者を中心とした意識の変化がある。殺虫剤市場がほぼ横ばいで推移する一方、こうした虫よけニーズは強まる一方だ。各社は消費者の利用シーンに合わせた新商品の開発や、既存商品の使い勝手の向上に力を入れている。
アース製薬は昨年、網戸に直接貼って室内への虫の侵入を防ぐという新商品「虫こないアース あみ戸に貼るだけ」を発売した。つるす場所がなくても使用できて雨にも強く60日効果が持続する。大日本除虫菊も今年から同タイプの商品「虫コナーズ アミ戸に貼るタイプ 120日」の販売を開始した。
ガーデニングやアウトドアでの利用を想定した商品は、大日本除虫菊が今年発売した「虫コナーズ スペースバリア」。庭などの地面にまくだけで、虫をよせつけない空間を作る。効果は8時間持続し、まいた薬剤は土に戻るという。
つり下げ式が上位
アース製薬 即効性に支持 大日本除虫菊 品ぞろえに強み
スーパーで販売している害虫忌避剤の商品別ランキングは上位15位中、11商品をつり下げ式が占めた。つり下げ式の商品は「外から見えることによる宣伝効果も大きい」(フマキラー)。よその家の軒下に下がっているのを見て、「うちも使ってみようか」と考える消費者は多いようだ。
1、3、10、11位には、アース製薬の「バポナ 虫よけネットW 120日用」「同 90日用」「同 180日用」「同 60日用」が入った。持続性のある薬剤と早く揮発する薬剤の2種類を使用しているのが特徴で、開封してすぐに実感できる即効性が人気だ。
2、4、5位は、大日本除虫菊の「虫コナーズ プレートタイプ 100日用」「同 130日用」「同 60日用」。9位には100日用の2個パックが入った。
同社からは7位と14位に消臭・芳香機能も兼ね備えた置き型タイプの「虫コナーズ リキッドタイプ 60日 クールミントの香り 300ML」と「同 フレッシュフルーツの香り 300ML」もランクイン。殺虫成分を使用せず、天然由来のハーブエキスで虫よけする。ほかに100日用がある。置き型タイプの商品の使用日数は60日が主流だが、同社は消費者の需要は長期間用に移行しつつあるとみて、今年から100日用についても人気のクールミントの香りを追加した。
6位は今年発売の新商品、興和の「ウナコーワ虫よけ当番 63日用」が入った。同社が販売する虫さされ治療薬「ウナコーワ」は、発売から40年を超えるロングセラー。同社は市場に参入するにあたって、消費者になじみのあるウナコーワブランドを徹底的に活用する戦略をとっている。本体は「プチウナコーワ」のCMやパッケージで使用しているイメージキャラクターをかたどった容器を採用。既存の商品にはないかわいらしさが消費者に好評という。
13位と15位にはフマキラー「虫よけバリア」が入った。他社製品の約1・6倍という大型でS字状の容器が特徴。つり下げるとどの方向から風がきても本体が回転し、遠心力で薬剤が効率よく拡散する。本体中央には天然ハーブの液体の入ったインジケーターを配置。時間の経過とともに液量が減少するので取り換え時期がひと目でわかる。ハーブのさわやかな香りが広がることによって、虫よけ効果を実感できるという。
昨年から登場した網戸に直接貼って使用するタイプの商品も好調だ。8位に入ったアース製薬「虫こないアース あみ戸に貼るだけ」の4~6月の販売は、前年同月比約150%と大幅に増加した。今年発売の大日本除虫菊「虫コナーズ アミ戸に貼るタイプ 120日」は12位に入った。
オリンパスのミラーレス一眼「PEN E―P3」
速いピント合わせ秀逸 小型ボディーにストロボも内蔵
総合評価 82/100点 好評の外観は継承 中身の充実に注力
オリンパスイメージングが6月にミラーレスタイプのデジタル一眼カメラ「PEN E―P3」を発表した。
オリンパスはフィルムカメラのAF(オートフォーカス)競争が激しくなった1990年代に実質的に一眼レフカメラの開発から一歩退いた状態になった。その後、カメラ事業の中心をコンパクトデジタルカメラへ移したが、それまでのフィルム一眼とはレンズなどの互換性がない、デジタル専用の新規格「フォーサーズシステム」を米イーストマン・コダックとともに提唱し、2003年に「E―1」というモデルでデジタル一眼の世界に返り咲いた。デジタルでそれまでにない高画質を追求したが、先行するニコンやキヤノンなどの製品に人気の面では対抗できなかった。
そこで、一眼レフカメラの内部可動ミラーと光学式のファインダーを取り去って液晶モニターに置き換えた「ミラーレス」という新構造のレンズ交換式規格として「マイクロフォーサーズシステム」を松下電器産業(現パナソニック)と提唱し、オリンパスとしての第1弾「PEN E―P1」を09年に発売した。現在、国内のデジタル一眼の販売台数の約3割は、オリンパス、パナソニック、ソニーの3社によるミラーレスタイプが占めるまでになった。
ミラーレスタイプの特長は、何といってもボディーとレンズが小さいこと。驚くのは22日に発売するE―P3がE―P1と大きさ、重さ、デザインがほとんど変わらないという点だ。小型化、カジュアル化といった要素は同時に発表した「PEN Lite」と「PEN mini」の新機種に任せ、純粋な機能と性能のアップに特化している。
E―P3の大きな魅力は、AFの速さ。これまでのPENシリーズはシャッターボタンに手をかけると液晶の画面がさっとピンぼけになり、それからスーッと時間をかけてピントが合っていく感じでピント合わせはお世辞にも速いとは言えなかった。
それがE―P3ではシャッターボタンに指をかけた瞬間にピントが合うイメージだ。標準ズームレンズとの組み合わせでは、動きのない被写体へのピント合わせは通常タイプの他社の一眼レフを含めても世界最速という。実際に撮影していてもストレスなくピントが合い、次々とシャッターを押しながらの撮影でもタイムラグがとても短く感じた。ミラーレスタイプの多くが従来タイプの一眼レフに比べ、撮影の際のレスポンス(反応)が若干遅めである現状では、この感覚は貴重だ。
また、従来の液晶モニターは23万ドット表示できめ細かさが足りないと感じられたが、E―P3ではサイズは3型のまま、61万ドット相当表示の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーへと進化。発色が濃すぎるきらいはあるが、ピントを確認しやすく美しさも増した。このディスプレーはタッチパネル方式で、ピントを合わせたい位置を触るだけでAFが作動する。従来通りのダブルダイヤルとボタン類も装備。タッチ操作でも、従来通りのダイヤルとボタンの操作でもどちらでも機能するのが通好みだ。
デザインはほとんど変わっていないが、これは先々代の基本デザインが優れていたからでもある。これまではストロボが外付けだったのだが、デザインをほとんど変えないまま内蔵式にした点は着実な進化といえる。市場想定価格は本体にレンズが1つ付くセットで10万円前後の見通し。
オリンパスはフィルム時代のハーフサイズ一眼レフ「PEN Fシリーズ」も、フルサイズ一眼レフ「OMシリーズ」も、いたずらにデザインを変更せず、見た目を変えずに中身を進化させる手法をとった。デジタル時代になっても、見た目よりも中身を熟成させることを重視したモデルチェンジは、長く使い続けるファンを意識したものだろう。
総合評価 82/100点 好評の外観は継承 中身の充実に注力
オリンパスイメージングが6月にミラーレスタイプのデジタル一眼カメラ「PEN E―P3」を発表した。
オリンパスはフィルムカメラのAF(オートフォーカス)競争が激しくなった1990年代に実質的に一眼レフカメラの開発から一歩退いた状態になった。その後、カメラ事業の中心をコンパクトデジタルカメラへ移したが、それまでのフィルム一眼とはレンズなどの互換性がない、デジタル専用の新規格「フォーサーズシステム」を米イーストマン・コダックとともに提唱し、2003年に「E―1」というモデルでデジタル一眼の世界に返り咲いた。デジタルでそれまでにない高画質を追求したが、先行するニコンやキヤノンなどの製品に人気の面では対抗できなかった。
そこで、一眼レフカメラの内部可動ミラーと光学式のファインダーを取り去って液晶モニターに置き換えた「ミラーレス」という新構造のレンズ交換式規格として「マイクロフォーサーズシステム」を松下電器産業(現パナソニック)と提唱し、オリンパスとしての第1弾「PEN E―P1」を09年に発売した。現在、国内のデジタル一眼の販売台数の約3割は、オリンパス、パナソニック、ソニーの3社によるミラーレスタイプが占めるまでになった。
ミラーレスタイプの特長は、何といってもボディーとレンズが小さいこと。驚くのは22日に発売するE―P3がE―P1と大きさ、重さ、デザインがほとんど変わらないという点だ。小型化、カジュアル化といった要素は同時に発表した「PEN Lite」と「PEN mini」の新機種に任せ、純粋な機能と性能のアップに特化している。
E―P3の大きな魅力は、AFの速さ。これまでのPENシリーズはシャッターボタンに手をかけると液晶の画面がさっとピンぼけになり、それからスーッと時間をかけてピントが合っていく感じでピント合わせはお世辞にも速いとは言えなかった。
それがE―P3ではシャッターボタンに指をかけた瞬間にピントが合うイメージだ。標準ズームレンズとの組み合わせでは、動きのない被写体へのピント合わせは通常タイプの他社の一眼レフを含めても世界最速という。実際に撮影していてもストレスなくピントが合い、次々とシャッターを押しながらの撮影でもタイムラグがとても短く感じた。ミラーレスタイプの多くが従来タイプの一眼レフに比べ、撮影の際のレスポンス(反応)が若干遅めである現状では、この感覚は貴重だ。
また、従来の液晶モニターは23万ドット表示できめ細かさが足りないと感じられたが、E―P3ではサイズは3型のまま、61万ドット相当表示の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーへと進化。発色が濃すぎるきらいはあるが、ピントを確認しやすく美しさも増した。このディスプレーはタッチパネル方式で、ピントを合わせたい位置を触るだけでAFが作動する。従来通りのダブルダイヤルとボタン類も装備。タッチ操作でも、従来通りのダイヤルとボタンの操作でもどちらでも機能するのが通好みだ。
デザインはほとんど変わっていないが、これは先々代の基本デザインが優れていたからでもある。これまではストロボが外付けだったのだが、デザインをほとんど変えないまま内蔵式にした点は着実な進化といえる。市場想定価格は本体にレンズが1つ付くセットで10万円前後の見通し。
オリンパスはフィルム時代のハーフサイズ一眼レフ「PEN Fシリーズ」も、フルサイズ一眼レフ「OMシリーズ」も、いたずらにデザインを変更せず、見た目を変えずに中身を進化させる手法をとった。デジタル時代になっても、見た目よりも中身を熟成させることを重視したモデルチェンジは、長く使い続けるファンを意識したものだろう。
家庭用蓄電池、相次ぎ発売、停電対策・節電の切り札――太陽光・燃料電池併用も
家庭用の大型蓄電池で次々と新製品が登場している。停電時に非常用電源として活用したり夜間電力をため昼間に使用することで電力需要のピークをずらしたりできる。参入企業が増えて価格も低下し、太陽光発電や燃料電池と組み合わせた製品も出ている。電力不足の長期化が懸念されるなか、停電対策や節電向けに普及を狙う。
ヤマダ電機で同社が太陽光発電システム施工大手のウエストホールディングスと共同で4月に発売した家庭用蓄電池「E STOCKER(イー・ストッカー)」がヒット商品となっている。環境ベンチャーのエジソンパワー(千葉県木更津市)の製品で、蓄電容量は1~2・5キロワット時。一般家庭の1日の電力消費の1~2割相当をためられる。価格は70万円台から190万円程度までだが、発売から3カ月の累計出荷台数は約400台となった。
電力需要が小さく電気料金の安い夜間に蓄電し、電力需要が大きくなる昼間に放電すれば電気料金を節約でき、地域の節電にも貢献する。
ヤマダ電機では太陽光発電システムと組み合わせて蓄電池を購入する顧客も多いという。現在、家庭の太陽光発電システムが生み出した余剰電力は全量が電力会社の送電線に供給されている。だが、電力不足で予期せぬ停電への懸念が高まるなか、「余分な電気を蓄電池にため、非常時に備えようとする家庭が増えている」(ウエストホールディングスの池田直人常務)。
従来容量が1キロワット時を超えるような大型蓄電池は、大半がデータセンターのバックアップ電源などの業務用の製品。蓄電容量が1キロワット時の機種で価格が100万円を超えるのが一般的で、家庭で購入するにはハードルが高かった。だが、震災後、電力不足への不安が広がるなか割安な新製品の発売が相次いでいる。
環境ベンチャーのスマートエナジー(東京・港)が5月に発売した「VEUS(ベウス)」は蓄電容量が4キロワット時の機種の場合で価格は約94万円。1キロワット時当たりの単価は20万円台で大型蓄電池としては業界最安値だ。ハイブリッド車(HV)などの車載用蓄電池をベースとすることで開発コストを抑えた。停電時の非常用電源としての用途に加え、「平常時には車載用電池としても活用できる点もアピールしている」(大串卓矢社長)。
大和ハウス工業などが出資する業務用大型蓄電池大手のエリーパワー(東京・品川)も今秋、容量が2キロワット時で価格が150万~200万円程度の家庭用蓄電池を発売する計画。キャスター付きで移動も容易だ。あらかじめパソコンなどに接続しておけば、突発的な停電時などにも自動的に蓄電池からの電力供給に切り替える機能も搭載するという。
伊藤忠エネクスが今秋発売する予定の家庭用蓄電システムは、米社製の車載用蓄電池をベースに開発した。蓄電容量が6キロワット時で価格は100万円程度。同社の土井章専務執行役員は「消費者に(都市ガスを燃料とする)家庭用燃料電池『エネファーム』と併用する方法を提案する」と話す。
独自の充放電制御システムも搭載。蓄電の状況に応じて燃料電池の稼働を調節し、最もエネルギー効率の高い水準でそれぞれの機器を運用できる。
同社は現在系列の給油所などで燃料電池を販売している。これまでも燃料電池について省エネ効果や外部電力に頼らなくても済む長所を強調してきたが、蓄電池と組み合わせた場合のメリットをアピールする。蓄電池と燃料電池を組み合わせれば、家庭の電力消費の7~8割は自宅でまかなえるようになるという。
本格的普及には補助金制度カギ
業務用に比べてかなり値段の下がった家庭用蓄電池だが、まだ手軽に買える価格とは言い難い。制御システムなど周辺機器を除く蓄電池の製造コストは蓄電容量1キロワット時当たり20万~30万円程度とされる。本格的に普及させるには同4万円程度にする必要があるというのが業界の共通認識だ。
今のところ家庭用蓄電池はベンチャー企業の製品が中心だが、三洋電機は8月にも容量1・6~3・2キロワット時の新製品を発売する予定。東芝も今年度中に1~5キロワット時の蓄電池を商品化する計画だ。電機各社が相次いで参入することで、部品の量産効果などが生まれて一気にコストダウンが進む可能性がある。
製造コスト削減と並んで普及のカギを握るとみられるのが政策支援。現在、太陽光発電には導入コストの1割弱を、家庭用燃料電池には従来型給湯器との差額の2分の1と工事費用の2分の1を助成する制度がある。一方、家庭用蓄電池に対する政府助成は今のところない。
ただ、さいたま市など一部の自治体が蓄電池を対象とした補助金制度の導入を計画しており、政府内でも蓄電池普及策を模索する動きもある。実現すれば、家計への負担も軽くなりそうだ。
ヤマダ電機で同社が太陽光発電システム施工大手のウエストホールディングスと共同で4月に発売した家庭用蓄電池「E STOCKER(イー・ストッカー)」がヒット商品となっている。環境ベンチャーのエジソンパワー(千葉県木更津市)の製品で、蓄電容量は1~2・5キロワット時。一般家庭の1日の電力消費の1~2割相当をためられる。価格は70万円台から190万円程度までだが、発売から3カ月の累計出荷台数は約400台となった。
電力需要が小さく電気料金の安い夜間に蓄電し、電力需要が大きくなる昼間に放電すれば電気料金を節約でき、地域の節電にも貢献する。
ヤマダ電機では太陽光発電システムと組み合わせて蓄電池を購入する顧客も多いという。現在、家庭の太陽光発電システムが生み出した余剰電力は全量が電力会社の送電線に供給されている。だが、電力不足で予期せぬ停電への懸念が高まるなか、「余分な電気を蓄電池にため、非常時に備えようとする家庭が増えている」(ウエストホールディングスの池田直人常務)。
従来容量が1キロワット時を超えるような大型蓄電池は、大半がデータセンターのバックアップ電源などの業務用の製品。蓄電容量が1キロワット時の機種で価格が100万円を超えるのが一般的で、家庭で購入するにはハードルが高かった。だが、震災後、電力不足への不安が広がるなか割安な新製品の発売が相次いでいる。
環境ベンチャーのスマートエナジー(東京・港)が5月に発売した「VEUS(ベウス)」は蓄電容量が4キロワット時の機種の場合で価格は約94万円。1キロワット時当たりの単価は20万円台で大型蓄電池としては業界最安値だ。ハイブリッド車(HV)などの車載用蓄電池をベースとすることで開発コストを抑えた。停電時の非常用電源としての用途に加え、「平常時には車載用電池としても活用できる点もアピールしている」(大串卓矢社長)。
大和ハウス工業などが出資する業務用大型蓄電池大手のエリーパワー(東京・品川)も今秋、容量が2キロワット時で価格が150万~200万円程度の家庭用蓄電池を発売する計画。キャスター付きで移動も容易だ。あらかじめパソコンなどに接続しておけば、突発的な停電時などにも自動的に蓄電池からの電力供給に切り替える機能も搭載するという。
伊藤忠エネクスが今秋発売する予定の家庭用蓄電システムは、米社製の車載用蓄電池をベースに開発した。蓄電容量が6キロワット時で価格は100万円程度。同社の土井章専務執行役員は「消費者に(都市ガスを燃料とする)家庭用燃料電池『エネファーム』と併用する方法を提案する」と話す。
独自の充放電制御システムも搭載。蓄電の状況に応じて燃料電池の稼働を調節し、最もエネルギー効率の高い水準でそれぞれの機器を運用できる。
同社は現在系列の給油所などで燃料電池を販売している。これまでも燃料電池について省エネ効果や外部電力に頼らなくても済む長所を強調してきたが、蓄電池と組み合わせた場合のメリットをアピールする。蓄電池と燃料電池を組み合わせれば、家庭の電力消費の7~8割は自宅でまかなえるようになるという。
本格的普及には補助金制度カギ
業務用に比べてかなり値段の下がった家庭用蓄電池だが、まだ手軽に買える価格とは言い難い。制御システムなど周辺機器を除く蓄電池の製造コストは蓄電容量1キロワット時当たり20万~30万円程度とされる。本格的に普及させるには同4万円程度にする必要があるというのが業界の共通認識だ。
今のところ家庭用蓄電池はベンチャー企業の製品が中心だが、三洋電機は8月にも容量1・6~3・2キロワット時の新製品を発売する予定。東芝も今年度中に1~5キロワット時の蓄電池を商品化する計画だ。電機各社が相次いで参入することで、部品の量産効果などが生まれて一気にコストダウンが進む可能性がある。
製造コスト削減と並んで普及のカギを握るとみられるのが政策支援。現在、太陽光発電には導入コストの1割弱を、家庭用燃料電池には従来型給湯器との差額の2分の1と工事費用の2分の1を助成する制度がある。一方、家庭用蓄電池に対する政府助成は今のところない。
ただ、さいたま市など一部の自治体が蓄電池を対象とした補助金制度の導入を計画しており、政府内でも蓄電池普及策を模索する動きもある。実現すれば、家計への負担も軽くなりそうだ。
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