速いピント合わせ秀逸 小型ボディーにストロボも内蔵
総合評価 82/100点 好評の外観は継承 中身の充実に注力
オリンパスイメージングが6月にミラーレスタイプのデジタル一眼カメラ「PEN E―P3」を発表した。
オリンパスはフィルムカメラのAF(オートフォーカス)競争が激しくなった1990年代に実質的に一眼レフカメラの開発から一歩退いた状態になった。その後、カメラ事業の中心をコンパクトデジタルカメラへ移したが、それまでのフィルム一眼とはレンズなどの互換性がない、デジタル専用の新規格「フォーサーズシステム」を米イーストマン・コダックとともに提唱し、2003年に「E―1」というモデルでデジタル一眼の世界に返り咲いた。デジタルでそれまでにない高画質を追求したが、先行するニコンやキヤノンなどの製品に人気の面では対抗できなかった。
そこで、一眼レフカメラの内部可動ミラーと光学式のファインダーを取り去って液晶モニターに置き換えた「ミラーレス」という新構造のレンズ交換式規格として「マイクロフォーサーズシステム」を松下電器産業(現パナソニック)と提唱し、オリンパスとしての第1弾「PEN E―P1」を09年に発売した。現在、国内のデジタル一眼の販売台数の約3割は、オリンパス、パナソニック、ソニーの3社によるミラーレスタイプが占めるまでになった。
ミラーレスタイプの特長は、何といってもボディーとレンズが小さいこと。驚くのは22日に発売するE―P3がE―P1と大きさ、重さ、デザインがほとんど変わらないという点だ。小型化、カジュアル化といった要素は同時に発表した「PEN Lite」と「PEN mini」の新機種に任せ、純粋な機能と性能のアップに特化している。
E―P3の大きな魅力は、AFの速さ。これまでのPENシリーズはシャッターボタンに手をかけると液晶の画面がさっとピンぼけになり、それからスーッと時間をかけてピントが合っていく感じでピント合わせはお世辞にも速いとは言えなかった。
それがE―P3ではシャッターボタンに指をかけた瞬間にピントが合うイメージだ。標準ズームレンズとの組み合わせでは、動きのない被写体へのピント合わせは通常タイプの他社の一眼レフを含めても世界最速という。実際に撮影していてもストレスなくピントが合い、次々とシャッターを押しながらの撮影でもタイムラグがとても短く感じた。ミラーレスタイプの多くが従来タイプの一眼レフに比べ、撮影の際のレスポンス(反応)が若干遅めである現状では、この感覚は貴重だ。
また、従来の液晶モニターは23万ドット表示できめ細かさが足りないと感じられたが、E―P3ではサイズは3型のまま、61万ドット相当表示の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレーへと進化。発色が濃すぎるきらいはあるが、ピントを確認しやすく美しさも増した。このディスプレーはタッチパネル方式で、ピントを合わせたい位置を触るだけでAFが作動する。従来通りのダブルダイヤルとボタン類も装備。タッチ操作でも、従来通りのダイヤルとボタンの操作でもどちらでも機能するのが通好みだ。
デザインはほとんど変わっていないが、これは先々代の基本デザインが優れていたからでもある。これまではストロボが外付けだったのだが、デザインをほとんど変えないまま内蔵式にした点は着実な進化といえる。市場想定価格は本体にレンズが1つ付くセットで10万円前後の見通し。
オリンパスはフィルム時代のハーフサイズ一眼レフ「PEN Fシリーズ」も、フルサイズ一眼レフ「OMシリーズ」も、いたずらにデザインを変更せず、見た目を変えずに中身を進化させる手法をとった。デジタル時代になっても、見た目よりも中身を熟成させることを重視したモデルチェンジは、長く使い続けるファンを意識したものだろう。
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