2011年7月12日火曜日

電動自転車、進化へ快走――パナソニック、ヤマハ発、ブリヂストン

パナソニック グラム単位で軽く
ヤマハ発 長持ち充電器
ブリヂストン 安全機能も充実
 モーターの力を生かして楽にペダルを踏める電動アシスト自転車で、より車体を軽量にしたり、バッテリーの寿命を長くしたりした新製品が相次いで登場している。健康志向や電力不足による節電意識の高まりからも消費者から注目が集まっている。市場拡大の追い風が吹くなか、一気に普及を進めようとメーカー各社は力を入れる。
 車体の軽さを追求したのが、パナソニックサイクルテックが6月27日に発売した「リチウムビビ・ライト・F」(希望小売価格9万9800円)だ。本体重量は19・9キログラムで、荷物を入れるバスケットを標準装備したタイプで業界最軽量という。一般的な自転車とほぼ同じ重量を実現した。
 電動アシスト自転車はバッテリーやモーターを搭載するため、どうしても通常の自転車よりも重くなる。他社では重さが30キログラム近い製品も多いが、軽量化のためにアルミとプラスチックを多用。通常は鉄製を使う車輪のハブをアルミにしたり、泥よけ部品をステンレスからプラスチックに切り替えたりした。
 リチウムビビ・ライト・Fは重さを20キログラムより軽くすることを目標に掲げて開発した。「強度を確保することは必須条件。部品一つ一つを見直してグラム単位での軽量化に取り組んだ」と同社商品企画チームの福田基雄チームリーダーは話す。
 ターゲットは重さを理由に電動アシスト自転車の購入を差し控えていた消費者だ。マンションなどの自転車置き場では、前輪を高く持ち上げないとしまえないところも多い。一般の自転車とほぼ同じ重量を実現したことで、力が弱い人にもアピールできるとみている。
 ヤマハ発動機が3月に発売した2011年モデルの「PAS CITY L8」(13万2800円)の特長は2つ。「長生きバッテリー」と「製品保証期間の延長」だ。
 これまでのバッテリーは350~450回ほど充電すると、容量が半分になり交換時期になるが、高性能のリチウムイオンバッテリーを搭載することで700~900回に寿命を延ばした。
 同社によると、消費者が電動アシスト自転車に求める使用可能期間は8年ほど。使用期間中にバッテリーを買い替える回数を減らせるという。
 部材の保証期間も長くした。バッテリーは従来の2倍の2年に、駆動部、フレームともにこれまでより2年長い3年に延ばした。「消費者が購入後にかかる費用を減らすニーズが高いことに対応した」という。
 幼児2人を乗せられる3人乗りの電動アシスト自転車に力を入れているのが、ブリヂストンサイクル。同社は電動アシスト機能のないのも含めた子ども乗せ専用自転車の「アンジェリーノ」ブランドでこれまでに25万台販売した。「子どもを乗せるうえで安全性と快適性を追求しているところが評価されている」と同社の佐藤寿一販売促進課長は話す。
 6月に発売した「アンジェリーノ ポッシュ アシスタ」(13万800円と14万800円)も安全機能を充実。前輪上部にある子ども用のイスをハンドルの回転軸上に設置したため、カーブなどでハンドルを切っても前輪が安定する。駐輪時にハンドルが動かないようにする機能も付けた。
 寿命を従来の2倍に延ばしたリチウムイオンバッテリーを採用。車速センサーによってドライブユニットという装置がギアと走行速度を感知し、最適の補助力を制御する仕組みも取り入れた。
出荷、4年で4割増  なお割高な価格課題
 経済産業省によると、2010年の電動アシスト自転車の出荷台数は前年比約8%増の34万3000台。ここ数年、着実に伸びており、06年より4割強増えた。メーカー各社は「当面は販売数量は伸び続ける」とみている。
 需要拡大の要因は消費者の健康志向だ。メタボリック(内臓脂肪)症候群対策のため通勤に使う中高年が増えている。幼児2人を乗せる「3人乗り」が09年に全国的に解禁されたのを受けて対応車種が相次いで登場し、育児中の親が一般の自転車から買い替えるケースも目立つ。業務用での採用も増えているという。
 パナソニックサイクルテックは、今後は省エネ効果も積極的にアピールして、需要の掘り起こしに力を入れるという。電力不足から電車通勤を控えて節電に貢献するビジネスパーソンの需要も見込めるとの期待もある。
 今後、普及の課題になりそうなのは価格だ。売れ筋の価格帯は10万円前後と、2万円程度も多いシティーサイクルに比べて割高だ。このため、年間出荷台数もまだ自転車全体の供給数(950万台)の約4%にとどまっている。
 軽量化やバッテリーの耐久性にはコストがかかるため、メーカーは「市場が安定的に拡大する間は値段は維持したい」と明かす。だが、新規参入や小売りのプライベートブランド(PB=自主企画)商品などとの競争が激化すれば、状況は多く変わる可能性が大きい。



0 件のコメント:

コメントを投稿