アクセサリーや子供服などでドクロをデザインした商品が広がっている。従来は不気味さや不良っぽさを表現する男性的なモチーフとされてきたが、動物と組み合わせたり、明るい色を用いることでかわいらしく仕上がっているのが特徴。ちょっとだけ毒気のあるドクロが今、「ドクカワ(=毒があるけどかわいい)」なのだという。 横浜市に住む田沢加代さん(仮名、36)の携帯電話は全面をラインストーンで装飾した「デコ電」。だがキラキラと輝く携帯の中心にあるのは黒のラインストーンを用いたドクロだ。「キラキラデザインが好きだけれど、ハートやリボンは甘過ぎ。ドクロを入れることで大人っぽくなった」と満足そうに話す。 ドクロをデザインしたアクセサリーや雑貨が広がっている。ジュエリーブランドの「e.m.(イーエム)」では昨年、淡水パールのネックレス(3万3600円)やリング(1万6800円)の一部にドクロのデザインを取り入れ、大ヒットした。小さな淡水パールをつなげたネックレスは、よく見ると2カ所にドクロが潜んでいる。リングも4つ並んだ淡水パールの1つがドクロ。柔らかく女性的な印象のパールアクセサリーだが「自分しかわからないようなこだわりによって、かわいさに毒気が出る」と広報担当の相沢利佳さんは説明する。13日にはドクロをデザインしたサンゴのアクセサリーを発売する。 粘土やシリコンを用いて本物そっくりのマカロンやカップケーキを作り出すクレイパティシエールのサダミホさんが6月に発表した新作は、ドクロを用いたフェイクスイーツだ。「かわいいドクロ柄を見かける機会が増え、調べてみるとラッキーモチーフとして扱われることもあると知り、興味を持った」という。 サンリオの人気キャラクター「マイメロディ」のテレビ放映をきっかけに、「クロミ」が登場したのは2005年。黒いずきんとピンクのドクロがチャームポイントで、マイメロディのライバルを自称する。当初クロミグッズは扱っていなかったが、人気を受けてその後商品化。テレビ放映が終了した今もファンは多い。「人間なら誰でも持っている、ちょっと悪な部分が共感を得ている」(同社)とか。 消費市場に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの鈴木ちさコンサルタントによれば、「キモカワ」や「エロカワ」など、カワイイのバリエーションの一つとして登場したのが「ドクカワ」。「閉塞(へいそく)感を抱きつつも正面から反抗できない。毒気を抜いてかわいらしく仕上げたドクロは、ちょっとハスに構えたかわいさの象徴」と見る。 ファッションの分野でもドクロは広がっている。ウサギのドクロがモチーフの米ファッションブランド「サイコバニー」。紳士のネクタイブランドだったが2009年に女性用の商品を発売したところ、人気に火が付いた。日本で展開するフェアファクスコレクティブ(東京・渋谷)によれば、商品はシャツが中心のトラッドで、20代後半から50代まで購入層は幅広い。販売する三越伊勢丹の河村玲バイヤーは「ドクロがはずしのアイコンとなり、コンサバなファッションが旬なアイテムとして提案できる」と指摘する。 「おしゃれのレベルが上がり、どんな柄でも自分なりに着こなせるようになったことでドクロが受け入れられるようになってきた」と見るのは、ファッションブランド「アルゴンキン」を展開するアーミッシュ(東京・渋谷)の武田絵美子さん。「アルゴンキン」はドクロを用いたデザインが多く、海外では「ダークキュート」と表現されるブランド。これまで一部のコアなファンに支えられてきたが、最近は母子で購入する姿も目立つという。 ドクロを用いた子供服を販売するリッツ(静岡市)は売り上げの大半が携帯からの注文。商品名だけで選ぶ消費者も多く「『ドクロ』の文字を入れると売り上げが上がる」(代表の武智裕子さん)のだとか。静岡市内に店も構えており、「最近はおばあちゃんが孫のために買っていくケースもあって、ドクロが浸透してきたと感じる」。 鈴木コンサルタントは「漫画『ワンピース』の人気で子どもたちはドクロがかっこいいと言う。イメージを多様化しつつ、ドクロの人気は定着していくのではないか」と見ている。 |
2011年7月13日水曜日
「ドクカワ」、女性ホネ抜き――ドクロ、毒気抜いてカワいく
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